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鳳凰位決定戦その5

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※対局の内容に触れていきますが、読まれる方は日本プロ麻雀連盟が発売している『牌譜データサービス』にて鳳凰位決定戦の牌譜を並行してご覧になると、より内容がわかりやすいかと思われます。興味のある方はぜひご購入ください。



緊張の中、立会人の合図の下一回戦がスタートしました。
対局の度に異なるのですが、タイトル戦の決勝戦は、一気に勝負熱が襲ってくることもあれば、
至って平常時と変わりなくスタートする場合もあるのです。
また、細かい震えを感じる場合もありますし、自分が対局に入りきれない場合は何かフワフワした感覚で卓に向かっているケースもあります。

今回の開局は、意外と冷静に迎えた感がありました。
実況の勝又プロからも「緊張している様子が全く感じられませんでした。」と言われましたので、
見ている方からもそういった空気が伝わっていなかったとすれば、それはいいスタートだったと言えるのかも知れません。


私は南家スタート。起家から右田→望月→瀬戸熊→荒の座順です。

開局早々、右田プロから中ポンが入ります。右田プロはポンテンのペン3。
しかし、この仕掛けにも私を含めた三人は冷静に対処します。
右田プロのこの仕掛けは皆織り込み済み。
丁寧に対応して右田プロの一人テンパイで流局。

戦いは4日間20回戦。長丁場の戦いではこういったケースを良く目にします。
一局面を捉えれば勝負した方が良いケースも、鳳凰位以外には全く意味の無いこの戦いにおいては、如何にして最後に頭に立つか?ということを前提に考えて戦っているため、無理な勝負はしないのが鉄則です。

とはいえ、やはり各自の親番には注意が必要です。
鳳凰位決定戦のステージに上がってくるだけの猛者達ですから、親番一つでビックゲームを作り上げるだけの爆発力を持っているわけですからね。

続く一本場、9巡目に右田プロからの先制リーチ。
先程の仕掛けに対する対応とは違い、このリーチには違った対応が必要と言えるでしょう。
バタバタと降り、自由にツモらせてしまっては右田プロのペースになってしまうだけです。
慎重さと大胆さが求められるこの局面、同巡瀬戸熊プロも三色ドラ1のテンパイを入れます。
瀬戸熊プロが選んだのはヤミテン。これが1回戦でなければ対応が違うでしょうし、完全先手が取れているならリーチもあるところなのでしょうが、瀬戸熊プロはさすがといえる選択を選んだのです。

このリーチを受けた私は“受け”を選択します。
この“受け”は“降り”とは違います。先制リーチを受け、丁寧な打牌選択を繰り返すといったイメージでしょうか。
そして、私がこういった状況で大事だと考える事は、自分も相手も楽になってしまうような打牌はしないということです。
ギリギリまで粘り込み、場況的に変化を与えてしまうような牌を決して場に下ろさない。
これは私自身が自分に課している縛りと言っても過言ではありません。
地味な作業ですが、これが私の一つの特徴と言ってもいいのかもしれませんね。


この“受け”が自分にプラスに働きます。
丁寧な打牌選択から、右田プロにも瀬戸熊プロにも安全な道を通っての初アガリ。


八八八344556②③④⑤ ツモ②


たった500、1000の収入ですが、これは大きいのです。
ツモアガった牌姿と、私の捨て牌を照らし合わせて考える三者。
私がどうやって歩を進めていったのかという復元作業を牌を落とすまでのわずかな時間で瞬時のうちに行なっているのです。


今までの鳳凰位決定戦と比べると、一番と言っていいくらいの好スタートを決めたと思ったのもつかの間、試合巧者達の術中に知らぬ間にはまり込んでいったのです。

迎えた親番も瀬戸熊プロの先制リーチに抑え込まれあっさり流局すると、続く一本場は軽快に右田プロが捌きます。
そして東4局、ここまでじっと戦況を見つめていた荒プロが一気に攻勢をかけてきます。

荒プロが5巡目リーチ。
そしてあっさりとペン3をツモ。
リーチツモ一盃口ドラの3900オール。
これは少し前に放送されたテレビ対局での荒プロの闘牌でも同じようなタイミングでの同じペン3をツモったアガリ形があり、それが私の頭の中にフラッシュバックしてきて、少しイヤ~な雰囲気だなと感じたのです。
それでもここは我慢のタイミングだと思った矢先、局面が一気に動きます。

ここはじっと我慢の時間だと感じた私。
それに対し、恐らく瀬戸熊プロは何とかこの連荘を止めなければ、と考えたのではないかと、今となっては思います。

ドラの九が暗刻で入った荒プロに、二シャンテンの瀬戸熊プロがダブ東を切ると荒プロからポンの声。
続けて2をチーすると、喰い下がった東を加カン。
そしてリンシャンから⑦をツモっての電光石火の6000オール!

改めて牌譜を見ると、瀬戸熊プロの東切りのタイミングが明暗を分けた形になっていることに気が付きます。
恩恵を受けた形になっている荒プロ。
そしてダメージを受けた三者。
恐らく私はこの東を切らないですし、これから先に同じ局面があったとしても切ることはないのでしょうが、東を切った瀬戸熊プロを責める事は出来ません。瀬戸熊プロの持ち味である攻撃力と、瀬戸熊プロの感じた危険察知能力が切らせた東なのですから。結果は最悪となってしまいましたが、大事なのはこれからで、この状態をどうやって打破していくかが各人のテーマになってくるのです。


東4局2本場、私が手にした配牌は、


三五八3①②③⑦⑧⑨N白白 ドラ四


ツモN、打3でイーシャンテンに。
そして3巡目、白を打たれるも当然のスルー。
そしてツモ一でチャンタも視野に入れた私。
4巡目に打たれたNもスルーして、続く5巡目にツモ二。
ここは打五で当然のリーチ。

この五に下家の瀬戸熊プロがチー。そして打N。


一二三①②③⑦⑧⑨NN白白 ロンN ドラ四


白を仕掛けたり、Nのポンテンを入れて捌く人もいるでしょう。
もちろんそれも悪くはないと思います。
連荘中の荒プロの親を落としたいと思う気持ちは誰だって同じ。
それでも私のスタイルはこの形なのです。
この手を仕掛けてアガる望月はきっと怖くないはず。
ヤミに構える望月も怖くないでしょう。
やっぱりこの形まで育て、そしてリーチを打つ。
だから私は鳳凰位決定戦にまで進出出来たのだと信じています。

私達麻雀プロは、一打一打に命を懸けています。
そして、その一打で万人を魅了したいとも思っています。
「自分はこんな男なんだ」「こういった生き方なんだ」というモノを、自らが選んだ一打で視聴者の方々にどこまで伝えられるかが、私達麻雀プロの競技人生にかかってくると思っているのです。そしてその上で、鳳凰位奪取といった『結果』を残したいのですよね。


そんな想いが裏目に出る事もあります。
右田プロの攻勢を荒プロが捌き、迎えた私の親番の南2局3巡目


二三1448①②③④⑥白白 ツモ三 ドラ⑦


この三をツモ切る私。
常識的に考えると、ここは打1が通常打牌ですよね。
ドラが⑦だけに打⑥はさすがにやりすぎですし、次手は打8でしょう。
それでもこの三をツモ切るのが私のスタイルなのですが…。
それでも、アガリ逃しよりも、形を取りこぼす事に罪を感じてしまうのは私の悪い所でもあります。
この三をツモ切った後の5巡目、


二三1444①②③④⑥白白


この牌姿から、荒プロの切った白をスルー。
さすがにこれもやりすぎの感があります。
3巡目に打1か打8としておけば、この白をポンでテンパイ。
もちろんポンするかどうかは微妙ですが、展開自体は変わるわけですからね。
この局の結果は7巡目、瀬戸熊プロが荒プロから1000点のアガリ。
あっさりと私の親が流れてしまいます。

長い戦いとはいえ、各人に与えられている親番は計40回しかありません。
この親番での大ブレークが私の武器であることは皆熟知しています。一つ一つの親番をどう生かすかが戦いのカギになるというのに、簡単に親落ちさせてしまったことは今シリーズの敗因の一つとも言えるでしょうね。


そして迎えたオーラス、今思い返せばここでの戦い方がこの決定戦を象徴しているといってもいいのかもしれません。

西家の私の配牌は、


二六八39②③⑤⑨TN西北 ドラ⑦


誰が打っていたとしても、到底アガリに向かえる牌姿ではないと感じることでしょうね。
それに対し、親の荒プロは5巡目、


二二三三四四五五233⑧⑧ ドラ⑦


のタンヤオ七対子のテンパイ。
どれだけ違うかわかるでしょう。
このテンパイにツモ⑧。さてどうする?

打牌候補は、打2、打3、打⑧。そしてリーチの有無もあるでしょう。
ここで荒プロは打2のリーチを選択します。
二五3待ちのリーチタンヤオ一盃口ですね。

このリーチに対して、当然私は受けて手を進めます。
配牌をもらった当初から、アガリを目指した手組みをしていないわけですから、この局だけは放銃しないことがテーマとなる…はずでした。
しかし、丁寧に荒プロの現物を切っていった私の手は、ここまで育っていったのです。


五②②④⑤⑤⑨⑨TT西西北北 ドラ⑦


この形から、私は手形だけを追って打五での7700の放銃。
もちろん、スタイルとしては打五が私の持ち味ですし、この形を見てもう一度受ける方が難しいというのも良くわかります。
しかし、この舞台は鳳凰位決定戦なのですし、リーチを打った相手は荒正義なのです。
荒プロがプロ連盟HPの『鳳凰の部屋』で記しているように、この打五はやはり甘いとしか言いようがありません。
さらにもう一度受ける事が出来たのなら、私の鳳凰位決定戦での戦い方ももう少し違ったものになったでしょうね。

そしてもう一つ、荒プロが14に受けたのなら8巡目に1をツモっての2000オール。
荒プロとしたらこの7700でホッとしたに違いありません。
自らの選択がより速い決着打牌になっていないのですから、ここは歯を喰いしばってでも耐える局面だったと、荒プロの捨て牌に光る1を見てしばし考えた私でした。


とはいえ、この放銃でダメージを受けている場合ではありません。
放銃を受け止めた上で、次の一歩を踏み出さなければならないのですから。

続くオーラス一本場、私の配牌は、


一二四五七八188①⑦⑦T ドラT


ドラがトイツで一通の見える形なのですが、ここは型を入れるべき局面ではありません。
いかに荒プロの攻撃を受け止め、そして三者が協力して交わすかがテーマなのです。

3巡目ツモ8でこの手に光が差し始め、7巡目ツモ四で一通を見切りこの形。


二四四五七八46888⑦⑦ ドラ⑦


形は良くなったとはいえ、まだまだ油断はできません。
自分も、受けられる態勢を作ることが先決だと考えていました。
しかし、そんな自分の思いとは裏腹にツモが効きはじめ、9巡目ツモ四打五、10巡目ツモ7打4、そして12巡目に望外のツモ⑦にてテンパイを果たすのです。

自分の目からは非常に良く見えるこの六九待ちも、実は六が一枚、九が一枚の二枚だけ。
それでも、ここまできたら当然リーチを宣言する私。

先程の放銃もあるだけに、それほどアガれるとは思っていなかったのですが、なんと一発で高めの六をツモ。
3000、6000で一気に浮きの二着まで浮上したのです。


四四四七八67888⑦⑦⑦ リーチツモ六 ドラ⑦


アガった瞬間は、本当に大きな手ごたえを感じていました。
このアガリが、荒プロを追撃する第一歩だと考えていましたが…実はそうではなかったのです。

やはりここは、前局の放銃を真摯に捉える事が先決なのです。
このハネマンツモがあったばかりに、本来見つめなおさなければいけない現実から目が離れてしまったと、今考えると反省ばかりが頭の中を行ったり来たりしています。

初戦を終え、好スタートを切ったと感じている私。
しかしこの後、本当に苦しい棘の道が私を待ち受けているのです。


~続く~