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二階堂亜樹プロの一打

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2011-01-19(水) 12:14:53 | 馬場 裕一 (ばば ひろかず)
●南1局●北家●7巡目●トップと12100点差の2着
ツモドラ

もう12年以上も前のことです。

「亜空間殺法」でおなじみの安藤満プロ(故人)から連絡がありました。

「八王子に店出したから遊びにおいでよ~」

店というのは麻雀荘「きらきら惑星」のこと。

当時安藤プロは大宮の「きらきら惑星」で専属プロというか顧問雀士のような存在で関わっていたのです。

その「きらきら惑星」が八王子に支店を出したというのですから、顔を出さないわけにはいきません。

安藤プロは笑顔で僕を迎えてくれました。

とりとめもない雑談をした後、安藤プロが入口近くの卓を指差し、

「ちょっと紹介した子がいるんだよね」

と、小声で囁いてきました。

その卓には、店の制服をつけた小柄な女性の姿が――

「女の子のメンバー(従業員)ですか」

「そうなんだよ。まだ18歳」

「18歳!w(°0°)w」

「麻雀もまだまだなんだけど、でも、いいもの持っているんだよなあ~」

安藤さんが嬉しそうに彼女のことを話します。

僕はその小柄な女の子に対して、俄然注目し始めました。

あの安藤満が笑顔で評す以上、かなりのセンスの持ち主なのではないか。

今と違って女性雀士の数が少ない時代だったので、よけい興味が沸いたのかもしれません。

そして僕は彼女と対戦することを希望したのです。

打ってみて驚きました。

軽やかでスピーディーな摸打、そして華麗で美しい牌さばきに。

当時、あんなに素敵な牌さばきを見せる女性雀士は誰もいませんでした。

ただ、麻雀そのものは、まあ荒削りというか、単純に荒っぽかったような気が……(;^_^A

それでも、大物に化けそうな予感を感じさせ、僕は「逸材」との出会いに軽い興奮を覚えたのであります。

そして2年後、「逸材」は表舞台に登場してきました。

MONDO TVが主催する「電影大王位決定戦」の予選大会に姿を現したのです。

「逸材」は並居る女流プロを撃破し、ほぼ圧勝の形でテレビ対局の出演を決めました。

その「逸材」こそ、人気・実力共に女流プロナンバーワンとされる二階堂亜樹プロ、その人なのであります!




初のテレビ対局。

彼女は独特の手筋を披露して「亜樹流麻雀」をアピールしました。

それが次の手牌↓

ツモドラ

南1局の東家で、ご覧のように456三色が狙えそうな手牌。

そこへ6巡目に 六竹 を引いてきました。

この牌姿なら三色を意識して 二万 のトイツ落としか 七万 八万 のターツ外しにむかう人が多いのではないでしょうか。

しかし亜樹プロの打牌は違いました。

彼女はノータイムで 五万 を選んだのです。

このとき対局をモニターで観戦していた僕は、一瞬「エ!? (@_@;)」と思いました。

でも、すぐに亜樹プロの意図を理解、「ああ、そうか」と納得したのです。

実はこの手牌、 五万 切りが最もロスのない一打なんですね。

手役よりもローリスクの打牌を瞬時に判断する亜樹プロの感性に、僕は驚きました。

ちなみに結果は2巡後に 三筒 を引いて打 四万 。

10巡目に 三竹 を引いて 六万 九万 待ちのテンパイ。

二階堂プロは即リーチに踏みきりあっさり 六万 をツモりあげたのです。

ツモドラ

ある意味怜悧な打ち筋、それでいて美しささえ感じる手順。

亜樹プロが「卓上の舞姫」と称される所以がここにあります。

では、もうひとつ亜樹プロの打ち筋を紹介しましょう。

ツモドラ

南1局の北家で、7巡目にドラの 六筒 を引いてきました。

トップ目とは12100点差の2着という状況。

さて、あなたならここから何を切りますか?

おそらく 三筒 か 九筒 に手をかける人がほとんどだと思われます。

何しろタンピンドラ2のイーシャンテンに構えられるのですから。

だけど亜樹プロはノータイムで 五筒 を切り出しましたw(°0°)w

場況から 一筒 四筒 待ちのほうがアガリの可能性が高いと判断したのです。

結果は2巡後に 七竹 を引いて 二筒 切り即リーチ。

彼女の読みどおり、あっさり 一筒 をツモりあげたのでした。

ツモドラ

手役を見切り、アガリへの最短距離を導き出す亜樹プロの読みと感性には、これからますます磨きがかかっていくことでしょう。